2014年10月21日火曜日

◆DALI RUBICON6 試聴記

◇2014東京インターナショナルオーディオショウ(1)

2014/9/23TIAS2014(2014東京インターナショナルオーディオショウ)で、DALI RUBICON6を試聴しました。


TIASには毎年行っていますが、D+M(ディーアンドエム)のブースでの試聴は初めてです。

先日、マランツのUSB-DAC搭載ヘッドホンアンプHD-DAC1試聴会に参加して以来、D+Mが身近に感じられるようになりました。

人気の傳信幸先生の講演ですが、会場と同時に入場したので、幸い前の方の席に座ることができました。

講演に先立って、DALI本社のアジア地区セールスマネージャー ミッシェル・ニールセン氏から、製品開発のポイントについて説明がありました。

RUBICON」の名は、カエサルの故事で有名なイタリアのルビコン川に由来し、DALI社の最新のランドマークモデルとして、デンマークの本社兼工場で設計・生産されます。

トランスデュ-サーとして高効率を標榜しダンパーに高反発性のゴムを使用していることや、磁気回路の歪みを減らすために粒子の段階で一粒ごとに絶縁し圧縮成形したフェライトを使用しているなどの説明から、技術志向のメーカーであると再認識しました。

これまでDALIというと、MENUETの官能的な音色が印象にあり、楽器的な音作りに軸足を置いているのかと思い込んでいました。(DAL製Iのスピーカーのほとんどにリボン型のスーパーツィーターが装備されているという事実は、この見方を否定するものですが。)

セットされていたのはRUBICON6で、プレーヤーはDCD-SX1、プリメインアンプはPMA-SX1という構成です。

出てきた音はニュートラルかつ鮮度が高く音場再現も正確でありながら、線の細さを感じさせることなく低域のダンピングもコントロールされた、まさに理詰めで開発がなされたことを感じさせるものでした。


同クラスのエンクロ-ジャーでは、箱鳴りによる付帯音が気になる場合もありますが、本機はプログラムソース違いによる低音の質感を正確に鳴らし分けていました。

このエンクロジャーは、各ドライバーが専用チャンバーによって分離される構造となっており、また、どのウーファーもすぐ後ろに専用のバスレフポート設けることによって、気流の乱れを最小限に抑え、ウーファーとポートのタイミングを最適に調整されているようで、補強も入念に施されていることが確認できました。素材はMDF材を使用しています。

前述の磁気回路は、SMC材(ソフト・マグネティック・コンパウンド)と呼ばれるもので、コンパウンド状の砂鉄の一粒ごとに化学的コーティングを施す事により、透磁性を保ちながら電気的絶縁性を確保し、スリット入りの銅キャップと相まって、アンプ並みの超低歪特性が実現されているとのことです。

コーン紙には、これまで各シリーズに採用してきたウッドファイバーコーンをRUBICON用に新
たにチューニングを施し採用しており、軽量・高剛性を実現しています。
この6.5インチユニットは、最上位のシリーズ、EPICONに続く完全内作のウーハーユニット第二弾となるものです。

なお、ツイーターは新開発のΦ29mmシルクソフトドームとリボンの二つのユニットをアルミダイキャスト製のプレートにマウントしたハイブリッド・ツイーター・モジュールを搭載しています。

センシティブでありながらも量感を失わず、それでいて節度のある鳴り方は、このような技術的な裏付けによるところかもしれません。

今後、ショールームや販売店でじっくり聴き込んでみたいと思います。
課題としている新たなスピーカー選びの選択肢に、DYNAUDIOに加えてDALIが加わったと言えそうです。

◆Marantz HD-DAC1 試聴記


マランツ初のUSB-DAC搭載単体ヘッドホンアンプHD-DAC193日に発表されました。

フルディスクリート無帰還バッファーやディジタル・アイソレーションシステムなど期待できそうな内容でしたので、914日にディーアンドエムホールディングス川崎本社で開催されたPhile-Web試聴会に参加しました。

試聴会では、20分ほどの製品紹介の後、製品の音決めに使用される通称「澤田ルーム」と呼ばれる試聴室での試聴と、プレゼンルームでのヘッドホンによる試聴が行われました。


説明者はサウンドマネージャーの澤田氏
スピーカーによる試聴を行った「澤田ルーム」は50㎡ほどの広さで、平行面を持たない、遮音性能が90dBという特殊な部屋です。これは、スピーカーの特性試験等に使用される無響室並みですが、残響が適度にあり、本当の無響室のような居心地の悪さは感じませんでした。

この部屋の機材で一番高額なのはケーブルであるとの説明がありましたが、総額で700万円程のようです。ケーブル類は入出力とも全てフローティングされていました。スピーカーはB&W800D、プリアンプがSC-7S2、パワーアンプがMA-9S2という構成。ソースはMacBook AirHD-DAC1です。

スピーカーとパワーアンプはフローティングされていましたが、プリアンプが丸太から切り出された厚板に置かれていたのが興味深かったです。また、アンプのトランスやヒートシンク上に銅ブロックの鳴き止めが置かれていたのにはアマチュア的気遣いが感じられました。
ラインケーブルもフローティング

試聴はクラッシックとポップスを取り混ぜて3曲ほど。
中低域は、制動は利いているものの肉付きの良い音で、高域もことさら広帯域を意識させるものではなく、音楽を楽しめるものでした。
もう少しクールな音を想像していたのですが、良い意味で裏切られつつも、マランツ製品に対する信頼が高まりました。

HD-DAC1のライン出力の音は、他のプレイヤーとの比較はありませんでしたが、プログラムソースの特徴を良く描き分けていたと思います。
また、このようなハイエンドシステムの中に組み入れても、見劣りしないことには驚かされました。


ソースはMacBook Air + Audirvana Plus
この後のプレゼンルームでのヘッドホンによる試聴では、HD-DAC1のほかNA8005SA8005も聴くことが出来ました。ヘッドホンは使い慣れたゼンハイザーHD650を持参し、プログラムソースも自分でCDからリッピングしUSBメモリの保存したものを使用しました。

HD-DAC1の音は、一聴して音場が広く雑味が無い上品なものですが、NA8005に比べやや伸びやかさ力強さが不足し、エージングが不足している印象を受けました。しかし、ゲイン切り替えをLoからHiに切り替えると奔放さが増し、当初の印象は払拭されました。

高音質パーツ(ニチコン製)
HD650はハイインピーダンスの為、機器の付属ヘッドホン端子では伸びやかに鳴りにくいのですが、HD-DAC1ではゲイン切り替えが有効に作用したようです。

また、音数の多さや音色の多彩さ、低音の量感などにディスクリート構成のヘッドホン専用アンプとしての特質を感じました。音場の広さは、ディジタル・アイソレーションシステムの為せるところかもしれません。

これまでヘッドホン専用アンプは所有したことが無く、今回の試聴でその存在価値を十分認識できましたので、HD-DAC1が発売されたら手元に置いて、じっくり使い込んでみたいと思います。

このような機会を与えて下さった、㈱音元出版Phile-Webさん、㈱ディーアンドエムホールディングスさんにこの場をお借りして、お礼申し上げます。

ありがとうございました。